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2022年11月の記事一覧

11.25Fri. 学ぶ意欲の向上とわかる授業17

国語科「古典を読み解く、味わう」

 2年生の国語科では、兼好法師による随筆「徒然草」から「仁和寺にある法師」を学習していました。日本の三大随筆である、①枕草子(平安時代) 清少納言 ②方丈記(鎌倉時代)鴨長明③徒然草(鎌倉時代)兼好法師(吉田兼好)については、前時に確認していました。2年生になって間もない頃、「春はあけぼの ようよう白く成りゆく・・」と、枕草子について学びました。

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 枕草子の「春はあけぼの」

  春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる 雲のほそくたなびきたる。夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、 ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行く とて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。まいて雁などの つらねたるが、いと小さく見ゆるはいとをかし。日入りはてて、風の音、虫の 音など、はたいふべきにあらず。冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいと白きも、また さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るもいとつきづきし。 昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。

 徒然草の序段

 「つれづれなるままに、日暮らし、硯すずりに向かひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」

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等々、古典独特の古文のリズムや古語の意味、言い回し等を読みや暗記とともに学習し、随筆を味わう学習をしてきました。何十年も前に暗記した古典の有名な一節は、リズムでけっこう記憶に残っているものです。(平家物語の冒頭等)兼好法師の徒然草は、教科書に「口語訳」が書かれていない初の随筆でもあるので、口語訳をしっかりできるか・・少なくともそこに書かれたエピソードの内容を読み取り、味わうことが大切な授業。(それができないと、古典の試験問題に回答できないうこともありながら)随筆に込められた先人の「教訓や逸話、エピソードの内容」をぜひ読み取り、味わう楽しさを感じてほしいものです。

「仁和寺にある法師」

 「心うく覚えた」のって何?・何を「かばかり」と思った?・「尊くこそおはしけれ」と勘違いしてしまったものは何?・「ゆかしかりしかど」って何が知りたかった?・どうして僧は「山までは見ず」だったのか?・・・

 そして、最後に『少しのことにも、先達(せんだつ)はあらまほしきことなり。』としめくられた教訓の意味あいを「なるほど」と読み味わえるよう、ストーリー・あらすじを理解できるといいですね。

 生徒達は、現代語訳のない「仁和寺にある法師」をグループで協力しながら、読み解いて、読み味わって、いました。「協働的な学び」といいますが、活発な言語活動から、考えを広げ深め、筆者独自のものの見方にふれることで、自分自身の見方や考え方を広げることに「おもしろさ」があります。古語や独特な表現、言い回し・・・読み解く、読み味わうにはとてもいい題材です。学習の深まりに期待します。

11.24Thu. 学ぶ意欲の向上とわかる授業16

「教え合い学び合いのある授業」「アウトプット」

1、数学

 2年生数学科、図形の分野。「わかったできた」「??わからない」がはっきりし、得意不得意がわかれてしまいがちな領域。授業では、「角度を求める問題」で、「教え合い学び合い」の時間を設定していました。「見方・考え方」、「回答への糸口が見えていない生徒」が、解答に至った生徒にねばり強く訪ねていました。すでにわかっている人も、「わかりやすく、順を追って説明」すること(アウトプット)で、より理解を確かなものにし、わからない人への「理解のヒント」を発信しています。「教え合い学び合い」が対話的な学びとなり、生徒自らがアウトプットする授業が、「思考力・判断力・表現力」の育成に大きくかかわっているように感じました。「個別・最適」だけではつけられない、協働によって深まる学びのヒントが、こうした何気ない授業風景に見える気がします。

2.体育

 1年生保健体育科、器械(マット)運動。得意・不得意が出がちな領域ですが、技のポイントを理解し、できばえやコツを指摘し合い、タブレット動画撮影等も行いながら、「体験・実技」をともなった「学び合い教え合い」が素晴らしい授業でした。「何ができるようになったか」、知識だけでなく、心技体のパフォーマンスが問われるのが、実技教科の知識・技能、自分のできる技、得意な技を駆使して自分らしい演技表現したり、上達のための工夫ある練習等、「思考力・判断力・表現力」も大切になってきます。補助をしあったり、技のポイントをアドバイスしたり・・生徒が主体的に参加する「対話的な学び」が、「できた」「おもしろい」につながることを願っています。

 

 

11.22Tue. 生徒大会・3年生社会科「働くということ」

 11月に入り、今までにないような感染拡大状況で、千歳中学校、千歳中学校区の小学校でも、学級、学年の閉鎖が相次ぎました。家庭内感染も急増しています。①5~10度程度の低温でのウイルスの活発化 ②低温と乾燥 ③換気のしずらさ ④行動制限をともなわない社会経済活動 ⑤旅行者の増加 等々、様々なことが影響しているのかもしれません。各家庭においても、「感染拡大期」であることをいつも以上に留意し、基本的な感染症予防策やリスク回避について注意喚起願います。

1、生徒大会

 5,6時間目に生徒大会が行われました。第一部は、「生徒会テーマと委員会活動の年間計画」について、第2部は、「いじめについて考える」です。コロナ禍もあり、対面での集会形式は取れませんでしたが、生徒会・各委員会が準備・計画してきた活動計画や2022後期~2023前期の生徒会テーマについて説明・質疑・応答がありました。生徒会活動は、全校生徒のリーダーシップとフォロアーシップに支えられた自治的な活動です。仕事や役割を自覚し、責任を果たす等、将来、社会の一員として自立した生活を送るベースをつくります。第1部のテーマや活動計画への質疑応答には、千歳中生徒会の質の高さを感じました。

 生徒会テーマ  『 輝想(こうそう) ~ ひとりひとりの想いを輝かせて ~ 』

 第2部では、学級で議論し、考えた内容、自分の思いを風船に描いた「いじめゼロ宣言」のポスターを作成し、いじめ撲滅のために自分たちができることについて、自分事として議論してきました。その学級活動の様子等、代表委員から紹介も実に立派です。変化の激しい時代に、社会に出た時、「多様な他者と協働し、新たなものを創り出していく力」がなければ立ち行かない世の中です。「いじめを生まない風土づくり」に力を発揮するのは、みなさん一人一人です。

2、3年社会科「働くということ 働くことの意味と働く人の権利」

 3年生社会で、上記のような課題の授業を行っていました。模擬のアルバイトの求人広告を見ながら、「どこに問題があるだろう?」「その理由は?」と働くことについて、自分事として考えていきます。労働基準法、最低賃金や未成年年少者の深夜労働禁止、男女雇用機会均等法等々、法的な根拠等もあきらかにしながら、「働くこと」について考えを深めていました。

11.19Fri. 様々なテストは終わった時こそ大切

 2年生のあるクラスの通信に、テストが終わった時こそ、「学び直しの絶好の機会」という話が掲載されていましたので紹介します。「現段階での、自分自身の各教科で培った力がどれくらいで、成果と課題は何なのかを明らかにして、次につなげる」と言った意味(形成的評価といいます)で、テストは終わった時こそ大切。誤答から見える自分の弱点を見つけて、早めに「できるようになる」ことが、力をつける近道・・「テストノート」という誤答の解き直しノートを作成させていた教科の先生も少なくありません。学び直しを次なるステップアップへ・・

11.16Wed. R4ちとせ青少年育成市民会議顕彰セレモニー

 令和4年度ちとせ青少年育成市民会議顕彰セレモニーが12日(土)北ガス文化ホール大会議室で開催されました。本校2年生3名も表彰されましたが、学年閉鎖期間中ということもあり、顕彰セレモニーへの参加は辞退させていただきました。ふるさと千歳、青少年が「安心」「安全」で健やかに暮らし、健やかな成長を願って、地球環境を守り育んでいくといった願いから「千歳市青少年育成市民会議」が主催となって、中学校1年時の市民憲章普及作文の表彰や少年の主張、スポーツや音楽・文化に活躍が顕著であった団体や個人が顕彰を受けています。

 母親の玄関掃除という何気ない日常から、空の玄関口である千歳市が「深呼吸したくなる」ような、美しく、いつも清潔に人々を迎え入れているまちであることの誇り、美しく「住みよいまちづくり」への決意が伝わってくる素晴らしい作文でした。北海道中体連において優秀な成績を収め、全国中学校体育大会に駒を進めた個人2種目について表彰されています。

【千歳市市民憲章普及作文 最優秀賞】 

  千歳中学校 2年 木村明日香さん(1年時市民憲章作文の最優秀賞)

『深呼吸がしたくなるまち千歳市』

  私のお母さんは、気がつくといつも玄関の掃除をしている。そして、「必ず靴をそろえなさい。」と小さい頃から言われてきた。私は気になって、お母さんに聞いてみたことがある。「お母さんって、いつも玄関の掃除をしているよね。なんで?」お母さんは、玄関の拭き掃除の手を止めることなくこう答えた。「玄関って、その家の顔なんだって。それに住んでいる人の運気も良くなるし、なによりも心がキレイになるようで、気持ちが良いじゃないの。」

 その言葉を、私は思った。私が住む千歳市って、北海道の顔、玄関口ではないのかと。

 この冬、私は一人、飛行機乗って、おばあちゃんの住む街へ行った。飛行機から降りて、一時間ほどバスに乗り、電車に乗り換え三十分。半日がかりの大移動だった。その間私の目に映った、街並み、高層ビル群、常緑樹の山々は、素晴らしかった。でも、もう一つ私の目に映ったもの、それは残念なものだった。ポイ捨ての空き缶、たばこの吸い殻、食べ終わったお弁当の入ったビニール袋。千歳ではあまり見ない光景に、私は「これってお母さんが言っていた、その街の印象そのものなんだ。」と思った。

 年が明けて、私は千歳にもどってきた。空港まで迎えに来てくれた車の窓から見た千歳市。やっぱりきれいだな。何だか分からないけれど、とても誇らしい気持ちだった。まだ書き上げていなかった市民憲章作文を題材とした課題作文。私の心はもう決まっていた。千歳市民憲章の第三章「美しく住みよいまち。」このことについて、千歳市民の一人として書いてみたい。そして、伝えたい。

 北海道は、日本人が一度は旅してみたい都道府県で、常に上位にランキングされている。実際に来てくれた観光客の大半は、空の玄関口の千歳をその旅の出発点として選ぶ。私があの時車の窓から感じたように、その人たちもバスや電車の窓から最初に見る北海道の顔、千歳に感動してほしい。ゴミひとつ無い、自然の豊かな北海道を味わってもらいたい。街並みは、住む人々の心を映す鏡だと私は思う。きっと市民憲章の「美しく住みよいまち」をつくれば、人の心も美しくなるのだろう。私は、北海道の玄関であるこの千歳市が、いつも清潔に人々を迎え入れていることに誇りをもっている。

【水泳競技 個人】

  千歳中学校 2年 森本 将太さん(2年時夏季中体連大会における全道・全国での活躍)

    ・北海道中学校水泳大会 背泳ぎ200m 第1位  背泳ぎ100m 第1位

    ・全国中学校水泳大会 出場

【スケート競技 個人】

  千歳中学校 2年 廣瀬 友哉さん(1年時冬季中体連大会における全道・全国での活躍)

    ・北海道中学校スケート大会 1000m 第22位

    ・全国中学校スケート大会 出場

11.15Tue. 学ぶ意欲の向上とわかる授業15

1、英語科研究授業

 Which do you like better,soba or udon? 2年生の英語の授業を特設授業として研究授業が行われました。隣の教室に動画配信して、教室内の人数を制限しながら教職員が参観。北海道教育長石狩教育局からも指導主事が参加して、今求められる授業像について教職員も学びを深めました。電子黒板での課題提示も活用しながら、多様なペア学習やクイズ形式での活発なコミュニケーション活動を通して、表現し、伝える力の基本となる「~の方が好きだ」「~が一番好きだ」という表現方法を学んでいました。英語もコミュニケーションツールですので、「自分や他者の意見や考えを伝えられる」実践的経験を通して、力がついていきます。失敗やわからないことを恥ずかしがったり、臆(おく)することなく対話的な学習を深める姿に、2年4組生徒の学びに向かう力のすばらしさを感じる授業でした。

【特設授業の様子】

【先生達の授業後の研修】

2、思考力を問う問題・・

 R5年4月の中学校3年生を対象とした学力学習状況調査は、国・数・英で行われます。「話すこと」調査を全国的にどう行うか実施方法についても、様々検討されているところです。平成31年4月(令和元年)に実施された英語の調査問題は、小中義務教育で学ぶ子どもたちが、「英語科において〇〇〇な力をつけてほしい」という新しい学習指導要領のねらいが鮮明になるものでした。英語の「聴く・話す・読む・書く」はもちろん、英語の表現の仕方を理解しているだけではなく、「自分の意見や考えを英語を使って表現する力」が問われてきています。ですから、入試問題等、「英語〇字で答えなさい」とか「正解がひとつではない、あなたの意見を英語で表現して」といった傾向の問題も増えてきます。「試験に出る英単語」を丸暗記して語彙力を増やしていた20~30年前の大学入試とは、出題傾向も大きく変化してきています。

【H31年英語の問題の一部掲載】

➉海外のある町が、外国人旅行客にも分かりやすいタウンガイドを作成するために、「学校」を表す2つのピクトグラム(案内用図記号)のうち、どちらが良いかウエッブサイトで意見を募集しています。どちらかの案を選び、2つの案について触れながら、あなたの考えを理由とともに25語以上の英語で書きなさい。

⇒正解はいくつもあるので、何とも言えませんが、①どちらの案がいいか一つ選んで意見を書いている➁選んだ理由などについて二つの案に触れながら書いている③25字以上で が採点基準だそうです。このように「表現力」としてのアウトプット、「まとまりのある文書を書く」問題であり、「テーマについて考えを整理し,文と文のつながりなどに注意してまとまりのある文章を書くこと」ができるように普段から、練習することが大切なようです。

⇒正答例を記載しておきます。皆さんもチャレンジしてみてください。

I think A is better than B.  I can understand that A has a blackboard, a teacher and students, but I have a question about B’s building. Is it a school? It is difficult for me, so I think A is better than B.

11.11Fri. 2学年閉鎖に伴う学びの保障

1、「学びの保障」

 北海道、石狩管内、千歳市における新型コロナウイルスの感染拡大状況が、過去最大を記録する中で、学校でのさらなる拡大も懸念されることから、市教委と協議し、2年生の12日(土)までの学年閉鎖、2年生2クラスについては、14日(月)までの学級閉鎖という措置をとりました。これにともなって、千歳市の市民憲章普及作文やスポーツ顕彰への参加ができなくなったり、管内・市内の部活動の大会参加体制に制限がかかったりと、学校教育現場における「行動・活動制限」は、「社会の行動制限措置」よりも、厳しい現状です。しかしながら、未来を担う若者の健康や安全を守り、確かな学びと豊かな成長のため、家庭、関係各位の理解と協力をお願いしたいところです。

 2年生は、クロームブックの持ち帰り、自宅待機生徒への受け渡し等を行い、本日から5教科を中心にオンライン授業を行っています。課題を提示し、子どもたちの理解の状況を確認しながら、画面共有や動画配信等を駆使して学習しています。自宅療養生徒も、オンライン参加が可能であるため、参加生徒が、学級100%に近いことは、皮肉な現象です。義務教育段階の発達と資質能力の獲得において、「対面」「協働」での学びが欠かせないものであり、第8波の感染拡大を封じ込め、後期の学びや自己実現の取り組みを充実させていかななければと考えています。

2、大きくジャンプするときは、小さくかがみこまなければ・・

 2年生ある学級の「学級通信」を掲載します。「継続は力」、努力が結果となるまで、たとえなかなか成果が出なくても、スモールステップの「努力」⇒「結果」、成功体験を積み上げ、「伸び」と「自信」につなげてください。

3、学習方法の工夫

 同じく2年生ある学級の「学級通信」、「五感を使う」を掲載します。自分の良さを活かした「学習方法の工夫」に参考にしてみてください。

 

11.9Wed. 学ぶ意欲の向上とわかる授業14

【皆既月食・天王星食】

 11月8日の夕方から夜にかけて、ここ千歳でも、「月が地球の影にすっぽりと入る皆既月食」が観測できました。今回は月食中に天王星が月に隠れる「天王星食」も起こり、皆既月食中に惑星食が起きるという極めて珍しい(1580年7月以来約442年ぶり)天体ショーとなりました。だんだん赤黒くなる月はちょっと不気味さも感じましたが、太陽、月、天王星、地球の位置関係と見え方、理科・天体に強い人に解説してほしいとおもいました。

 理科の授業では、目の前で起こっている化学的現象を予想を立て、実験・考察し、検証する・・「不思議だな、わかった、できた、おもしろかった」が学びの原点です。

11.7Mon. 「生きる力」の育成 一歩前向きなチャレンジ

 11月に入り、新型コロナウイルス感染症の拡大状況が、過去最高を塗り変えています。第8波は、北海道が全国一の陽性者数という厳しい状況です。①気温5~10度で活発化するウイルス ➁乾燥と室内の換気がしずらくなる季節 ③感染力の強さや「行動制限はともなわない社会経済の流れ 等といった要因があると報道されていますが、基本的な感染防止策の徹底や、本人や家族に発熱・かぜ症状等が見られる時の正しい対処と連絡、感染リスクに配慮した行動等が「感染拡大」を防ぎます。再びの異常な感染拡大に不安が募るところですが、家庭で、学校で、「自分と自分の大切な人の命と健康を守る行動」にご理解・ご協力をお願いいたします。

 11月の学校だよりにも掲載しましたが、「社会性」の育成に関する巻頭言を掲載します。

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「生きる力」の育成 ~学校という「小さな社会」で・・        校長 金 森 直 人

 人工知能の普及やインターネットの生活への浸透により、社会や生活が大きく変化する時代。変化を前向きに受け止め、人生をより豊かにしていくためにどうすべきか 、主体的に考え出すことができる力が「生きる力」です。これからの社会が、変化が激しく、予測困難であっても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、他者と協働しながら「社会を創っていく力」であるとも言えます。

 経済産業省が提唱している「社会人基礎力」※ 1 を見ると、どれも義務教育段階から「自律と共生」を目指して学んでいく過程で、育成すべき力だと感じます。学校という「小さな社会」で、学び、成長する中で、「社会性」や「社会力」※ 2  を子どもたちは身につけていきます。

※1「 社会人基礎力 」とは 、主体性や計画力 、規律性など 社会人として身につけておきたい基礎的なスキル。現代の多様で変化の激しい環境のなかで 、社会人として生きていくために欠かせないスキルであり、採用活動でも重要なキーワード。

※2「 社会性 」が 、「社会を構成する個人がその社会に適応している状態 」をいい、「 社会力 」( 筑波学院大学門脇学長が提唱)は、 単に社会に適応しているだけでなく「社会を作り、作り変えていく(創る )能力」を意味する 。 

 先日、学校への不要物の持込や SNS 等の不適切な使用が問題となり、学年集会の中で、次のような全体指導がありました。『本校の生活のきまりは MY ゴール手帳にたった 1 ページ半。「最低限これだけは・・」ということが書かれている。この最低限のルールを守り、学校に生活する生徒・教職員、互いの信頼関係を創っていくことが、みんなが安全・安心な、自分たちの学校を創るということだ・・』という概要でした。折しもキャリア学習が本格化した秋。社会人が、様々なルールや約束を守りながら、 職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていく姿を学んでいます。中学生も同様に、学校という「小さな社会」での生活を通して、ルールや約束を守り、周囲とコミュニケーションを取りながら、信頼関係を築き、主体的に学びや生活にかかわっていく力」、いわゆる「生きる力」を培わなければ、学力も社会性も伸びてこないのかもしれないと感じた出来事でした。

 11 月は、3 年生の自己実現に向けた取り組みが本格化し、後期生徒会が 1,2 年生のリーダーシップで動き出します。各委員会の創意ある活動やいじめ撲滅集会等、生徒自らが「チーム千歳」のチームワークを強め、一歩前に踏み出す「実行力」が、後期生徒会による新たな千歳中の伝統を創ります。学力の向上も、授業や生活の規律を整え、義務や責任を果たし、コミュニケーションと信頼関係を基盤とした日常生活が充実してはじめて、「伸び」につながります。『一歩前向きにチャレンジできる後期』にしていきましょう。