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8/14 支笏湖の歴史

【水深363m、日本最北の不凍湖】

 アイヌ語の「シ・コッ」(大きな窪地)に語源を持つ支笏湖は、およそ4万年前に起きた激しい火山活動によってできた支笏カルデラに水が溜まり誕生しました。噴出した火砕流は20km以上離れた札幌市の南部にまで到達したと言われ、カルデラ形成後に風不死岳、恵庭岳、樽前山が一直線上に次々と火山活動を開始、成長したため、現在見られるようなひょうたん形の湖になりました。

 湖の水面下には「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と呼ばれる、切り立った崖のような光景が広がり、爆発の激しさを物語るかのように水深は深く、最大水深363mは秋田県の田沢湖に次ぐ全国2位を誇ります。

 深さゆえに湖面が凍結することは稀で、日本最北の不凍湖と言われています。 これはカルデラ生成時に、火砕流による自種植物が冷え固まる際に、急激に冷やされ収縮した際にできた割れ目で、支笏湖の見どころとして今に至ります。

 

 

【清澄な水と豊かな森が支える命】

 支笏カルデラができた後、風不死岳、恵庭岳、樽前山が誕生したことで、その裾野には火山活動の影響を受けた森林が多く見られる。

 湖畔の丘陵地には広葉樹林、さらに標高が上がると針葉樹が混ざり、さらに標高が上がるとダケカンバが優勢になり、恵庭岳や樽前山の山頂付近には高山植物が生育しています。

 支笏湖が育む豊かな森には多様な生態系が生まれ、命の営みを感じることができます。