7月のおススメ図書
「活版印刷三日月堂」
「1度口から出しちまった言葉は、もう元には戻せねーんだぞ… 言葉は刃物なんだ。使い方を間違えると、やっかいな凶器になる… 言葉のすれ違いで一生の友達を失うこともあるんだ…。」
劇場版『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』より
言葉は癒しにもなり、凶器にもなります。
今回紹介する本は前者、職人気質だった街の活版印刷所を営んでいたおじいさんの意思を継ぐお孫さんと、その周囲の人々との物語です。短編です。短編集として読んでいただけますし、少しずつ登場人物の関係性に繋がりもあるので、長編としても楽しめます。
作中に「文字ひとつひとつが息づいている」という一文があります。言葉が、文字が、人・もの・思い出をつなげていく。素敵なことだと思います。皆さんはどうでしょうか?ネット社会に生き、深刻なトラブルを生んでいる現在に生きる私達へ、言葉・・・文字の優しさを思い出させてくれる、そう感じる作品です。
活版印刷 イメージ図
※本間文庫より紹介