生活の様子

ブックトーク(中)

 今年度、第1回目の「ブックトーク」。本校図書館司書さんから、たくさんのことを教えていただきました。

 まずはじめに、作家の森絵都さんからのメッセージを紹介してくれました。

「(省略)30年の作家生活のあいだに届いた中には、忘れられない手紙も数々ある。(省略)私のもとに来る手紙の多くは、苦しかった過去や今現在の苦しみを物語るものだ。人間関係の悩み、挫折や喪失、それでも皆が最後に必ず書き添えてくれる『〇〇を読んで元気になった』『〇〇を読んでまた頑張れる気がした』これらの言葉にホッとするのと同時に、本というもの可能性についていつも考える。何かきっかけがあればまた起き上がり、歩き出せるかもしれない。その何かを持っている。土の中で一滴の水を待っている種のように。本には、その一滴となりうるポテンシャルがきっとある。『学校の先生に薦められて読んだ』『司書さんが、これ好きだと思うよって渡してくれた』『親戚のおばさんからプレゼントされた』若い世代の陰には、しばしばその本と彼らを結び付けた大人たちの影がある。軽い気持ちで薦めたかもしれない一冊が、相手にとって”萌芽の一滴”となった可能性。それを考えると、今の社会にも昔のおせっかいはお見合いおばさんのように、本を読め読めと薦めまくる人間がもっと多くてもいいのではないかと、かつて本を読め読めと言われるのが苦手だった私ですら思うのである。」

 次に、高校入試に出題されたことのある本を紹介してくれました。

 そして司書さんから配付された紙をヒントに、本を探しに行きました。生徒たちはペアやグループになって図書館にある中から本を探し、その紙に書かれた問題を解きました。どの生徒たちも、索引等を活用し、本を見つけることができました。

 最後に、今年入った百科事典(「ポプラディア」)を使って、配付された問題を解きました。

 今回の「ブックトーク」では、本の魅力や面白さに加え、調べ方や分類なども学ぶことができ、大変充実した時間となりました。

 「読書が知識や情報を得たり、自分の考えを広げたりすることに役立つことを理解する」(1年生)

 「本や文章などには様々な立場や考え方が書かれていることを知り、自分の考えを広げたり深めたりする読書に生かすこと」(2年生)

 「自分の生き方や社会との関わり方を支える読書の意義と効用について理解する」(3年生)

                                  【いずれも「学習指導要領」から引用】

 今後も、このような読書活動が国語科の学習と結び付き、自ら進んで読書活動をし、読書を通して人生を豊かにしていってほしいと思います。