「本の紹介」(12月)
「新時代」池崎 大輔 著 読売新聞社
2024年パリ・パラリンピック 車いすラグビーで悲願の金メダルをとられた、池崎さんのご自身による著書です。
函館出身で、病気の発症が6歳。それまでは外を元気にかけまわっていた、どこにでもいる一人の少年。絶対に辛かったでしょうし、悔しかったでしょうし、大変な思いもたくさんされてきたのだろうと思います。しかし、本書は池崎さんの常に前向きな気持ちが掲載されています。そのポジティブさはどのようにしたら生成され、うまく活かしていけるように生きていけるのだろうと、池崎さんの心の大きさに感嘆します。
また、「障がい」ってなんだろう。本書を読み終え、私がもうひとつ強く感じた想いです。手足が不自由な方、生まれつき内臓系や脳に疾患をお持ちの方、視力・聴力が弱い方・・・・・様々な方がいるこの世の中で、なにもない人を健常者と表現します。健常者の腰痛は「障がい」とは表現しません。本書では池崎さんも疑問を投げかけています。
世界の強豪国の中で、今回金メダルという世界一を獲得されたチームの一員である池崎さんは、次の2028年ロサンゼルスを目指すそうです。注目し応援していきたいと思います。
自虐あり、自己ツッコミありの笑いもある、読み応えのある一冊をぜひ一度手に取っていただけたらうれしいです。