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11.14Tue.「わかる」≠「できる」

1、「わかる ≠ できる」からの脱却

 『授業中、「わかった!」と生き生きと解答しているのに、いざテスト等で出してみると「できていない」・・』多くいの教科担当の先生方が、実は、真剣に悩んでいます。こうした事態に陥らないように、「わかるとできるは違う」ということを研究したり、*メタ認知能力やメタ認知を高めるための方法について調べたり、わかったという知識や理解を確実にするための授業の振り返りや*マインドマップづくりに力を入れる先生、等々・・、*は、ちょっと専門的で難しい話ですが、それぞれ工夫しています。

 「わかる≠できる」、つまり、「わかる(認知)」から「できる(活動)」ようになるには、みなさんの工夫、ステップアップが必要なようです。「わかったような気になっていて何もしなければ、忘却曲線で忘れ去るので、できる段階まで『(ドリル的に)反復・繰り返し』したり、授業や家庭学習の中で、「この学習で理解できたことは〇〇〇で、理解できなかった今後の課題は△△△」等といった『振り返り・自己評価』を継続する等、『わかる から確実に できる』へ、自分に合った調整、学び方のコントロールが必要なです。

 3年生の学級通信を紹介します。

2、「学び続ける人」になるために・・・ 「メタ認知」の大切さ

 哲学の父といわれるソクラテスは、「彼らは何も知らないのに知っていると思い込んでいるが、私は何も知らないということを知っている。」(無知の知)と言っています。「自分が認知している内容(自分は何もわかっていないということ)を認知している」、つまり、「自分は無知であるが、最低限、無知であると言うことは自覚している・・」といった意味合いで「無知の知」の大切さを説いています。

 常に学ぶためには「知らないことを自覚する」ことから始まる・・・「何も知らない自分だからこそ学ぼう」という姿勢を大切にし、「自分がいかにわかっていないかを自覚せよ、そこから学ぶ姿勢が生じる」ということを「無知の知」という言葉に込めているのです。

 小学校高学年くらいから、自分を徐々に客観視できる、「もう一人の自分」が現れます。イメージとしては自分が何かをしている時、「もう一人の自分が上から冷静に見ているような感覚」です。メタ認知能力が高まってくると、様々な面で自分を客観視して、対策を講じ続けることができるようになっていきます。メタ認知能力を高めるための学習方法や反省振り返りの仕方等、様々な書籍等も出されていますが、一般的に①課題解決能力が高まる(課題の本質を見抜き、どうすればよいか適切に考える)➁感情に振り回されない(自分自身を客観視して、冷静に感情を認知しコントロールできる)③円滑な人間関係を築ける(相手と自分の違いや、置かれている状況を俯瞰(ふかん)的にとらえ適切な配慮をしながらコミュニケーションをとる)④成績向上にも効果を発揮する(学習意欲が高く、主体的に学習する力があり、解き方・考え方の工夫をよく行うことができる)等、と言われています。

 学習を振り返って、自分は「何ができるようになったか」「何ができていないのか」客観的に認識し、新たな学習計画を立てたり、調整したり・・他者と協働したり、次の学びにつなげたり・・(学びに向かう力)」といった過程のすべてを「メタ認知能力」と捉えることができます。「生涯にわたって学び続ける人に・・」なるためにメタ認知の力を高めましょう。 

3、振り返り、反省、自己(他己)評価、まとめ・・・何のため??

 メタ認知の大切さを考えると、何のために授業を振り返ったり、まとめたり、テストで理解度を確認したり、自己評価したりするのかがわかってくると思います。「”わかった気になって”いないか、”できる”ところまで到達しているか、その認知度を図り次のステップにつなげるための評価やテスト」が学び続けるためにとても重要です。理科の授業では、その単元で習った事柄をアウトプットすることで、「自分が何を理解していて、どこの部分の理解が不十分なのか」を知る「マインドマップ」づくりをしているそうです。「わかる から できる」へ、「より生きて働く知識・理解」にするために、そして、メタ認知能力を高める上で、とても効果的な学習なのではないでしょうか・・・ぜひ、自分に合った振り返り方を見つける上でも参考にしてみてください。